世界に分断と対立を撒き散らす経済の罠の書評になってしまうわけですが この本、なかなか良かったです。 でも、これ系のアメリカ不平等経済を書いている本を何度か読んだことがある人にとっては再確認程度という感じで特に目新しいものはなかったです。 ピケティの21世紀の資本を読んだことがある人は内容が重複するものも多いです。 世界に分断と対立を撒き散らす経済の罠
世界に分断と対立を撒き散らす経済の罠 世界に分断と対立を撒き散らす経済の罠には日本の金融危機であるバブル崩壊についても書かれています。 日本は過去20年間も低経済成長に陥ってきました。 GDPも世界第3位に転落していますがこの点もスティグリッツ教授は書かれています。 日本は高齢化社会です。 現役で仕事をする15歳から64歳までの人口が減っていることがGDP低下の理由だと言っています。 決してアメリカ人の方が効率よく働き、日本は効率が悪いという政府の話は間違っていることがわかります。 ヨーロッパの他国でGDPが高い理由も多くの資産を保有している点が大きいです。 現役世代が減ったというのが大きな理由です。 また、アメリカの方が自由の国というイメージがありますが格差がすごいです。 失業率は若者のほうが高いです。25%にもなります。 日本では10%以下です。日本のほうが若者の失業率は先進国の中でもかなりいい方です。 それでも就職できていない人がいるのも事実ですがヨーロッパやアメリカなどと比較しても失業率は日本のほうが圧倒的に低いです。 それだけ先進国の中では格差が少ないということがわかります。中流階級が未だに多いわけです。 世界的に格差が拡大している理由についてスティグリッツ教授は超富裕層の税金面での圧倒的な有利な状況と低所得者の学歴が低いこと、大学を卒業するには高額な資金が必要になり、借金をして大学を卒業し、その後も苦労するのは先進国で共通した悩みであること。 そして失業率が高すぎるということです。こういった期間が長いことで格差は拡大していくというものです。 このような世界的な状況を知ると日本はまだまだマシな方なんだと思ってしまいます。